好きな人と暮らす初めての日
 私が名前を呼ぶと彼女は嬉しそうに笑う。


「私のこと覚えてくれたのね。嬉しいわ」

「昨日はお風呂に入れてくれてありがとうございました」

「どういたしまして」


 昨日お礼を言っていなかったと思い、お礼をするとキャロルさんが私の頭を撫でてくる。
 本当に皆頭を撫でるのが好きなのだなと思いながら受け入れる。


「俺からも礼を言うよ。風呂に入れてくれたのもだけど、リーベの服と靴キャロルが用意してくれたんだろ? ありがとう」

「なんてことないわよ。備品庫から持ってきただけだし。時間があったら、もっと可愛いの用意してあげたんだけどね」

「お前たち世間話をするなら、まず頼んでからにしろ。後ろがつかえてる」


 ノアムさんの言葉に二人が謝る。
 キャロルさんに彼と同じものじゃ量が多いと言われたので、何にしようか悩んだ結果、彼女と同じたまごサンドとサラダのセットにした。
< 21 / 52 >

この作品をシェア

pagetop