神様と人との片思い


「お!まだ居たか」

「別にあなたを待っていないわ」

「じゃあ何してんだよ」

「私はここからは離れられないのよ」

「本当はここ以外の場所にも行ってみたいんだけどね」

「行けばいいじゃん」

「近場になるけどいい場所知ってるぞ」

彼女は考えたがやはり好奇心には勝てなかったようだ

「少しの間だったら行ってみたい」

俺と彼女のちょっとした冒険が始まった

「てかそろそろお前って辞めてくれないかしら25年目の夫婦じゃあるまいし」

「それもそうだな」

「お前名前なんだ」

「言って欲しけりゃ自分から名乗るものじゃない?」

「俺の名前は宮原 優斗だ」

「そっかいい名前じゃない」

「はい俺の名前言ったからお前名前いえ」

「やだね、 適当に私に名前付けてみてよ」

「はぁ?だるすぎ」

「そうだなーなんかすぐにどっか行きそうだし」

「””翠””とかどうだ」

「いいじゃない気に入ったわ、ネーミングセンス案外いいのね」

「じゃあそれで呼んでね」

「お前ひと言多いって言われないか?」

「言われたことないわ笑」

俺たちは少し歩いたその間はあまり喋らなかったが妙に心地よかった

俺たちが来たのは少し崖になってて町全体が見回せる場所だ

「粋なことするのね」

「すごいだろ」

「まぁすごいのは認めるわ」

「けど自分のものみたいに威張ってるのはなんでよ」

「は?なに言ってんだよ自分が見つけたものなんだから威張って当然だ」

「そうよかったわね」

なんでそんなに寂しそうな顔をしているのか分からなかった

「今日はありがとう」

「私そろそろ帰るわね」

「あぁまたな」

その日帰ったらじいちゃんに叱られてしまったお前今までどこに行ってたんだと

今日は掃除の手伝いだったがめんどくさくて逃げてしまっていたからだ

「道に迷っちゃってごめん」

「まぁいい、」

この辺に俺と同じくらいの女の子がいるかじいちゃんに聞いてみた

「ここら辺はもう田舎だそんな子いるとしたら引っ越して来たとかじゃないのか」

「そっか」
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