天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 どれほど触れ合っていたのか、とても長いような一瞬のような甘い時は終わりを迎えた。ゆっくりとルシアンが離れ、満足げに妖艶な編みを浮かべる。

「真っ赤になって、かわいい」
「〜〜〜〜!!」

 耳元で囁くルシアンの唇が触れて、アマリリスの身体が震えた。
 問答無用の口付けだったが、アマリリスはそれに対して嫌悪感はない。心の準備ができておらず羞恥心でいっぱいなだけだ。

「あ、着いたみたいだね。せっかくだし、お姫様抱っこしようか?」
「結構です!!」
「ははは、怒ったリリスもいいね。もっと僕のことで心乱れてよ」
「…………」

 ここで反応するのも悔しくて、アマリリスはしばらく無言を貫いた。


< 150 / 220 >

この作品をシェア

pagetop