天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 アマリリスはルシアンがサイコパスであることを濁しつつ、その手腕が素晴らしいと褒めちぎった。今はアマリリスに執着しているが、それをフレデルト王国に挿げ替えたらこの国はとんでもなく発展するだろう。

 それにアマリリスが言ったことは嘘ではない。為政者として決断を迫られた時に、感情に揺さぶられないメンタルは非常に強力な武器となる。

 今まで周囲から評価を得ていたところを見ても、ルシアンであれば問題なく国政をおこなえるとアマリリスは判断したのだ。

「ふむ。ではその証を見せてもらおうか」
「では、その証をお見せしたら、教育係の任は解いていただけますか?」
「よかろう」
「ありがとうございます。しかとその証をお見せいたします」

 アマリリスは艶然(えんぜん)と笑みを浮かべた。


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