妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
MOMOSE side
 亜夢に拒絶された瞬間、俺は人生最大の失敗を犯したんだと改めて自覚すると共に、死にたくなるくらい、後悔した。

 もう、終わりかと思った。

 だけど亜夢は、チャンスをくれた。

 だから俺はもう、

 絶対に、間違えない。



「……あのさ、話す前にこれだけは言っておきたいんだけど、俺は亜夢の事、本当に本当に大好きなんだ」
「……うん」
「亜夢と付き合ったのは、決して何か裏があった訳じゃない。彼女と……亜夢の妹と付き合ってた事実は変えられないけど、それは本当に過去の事で、裏で繋がってたとか、そう言った事も、一切無い。これだけは、信じて欲しい」
「…………」

 正直、今更色々言ったところで、信用されないかもしれない。

 疑いは晴れないかもしれない。

 だけど、俺はもう、何一つとして嘘をつく事はない。

 今から全てを、亜夢に話す。

 それを聞いた亜夢がどういう判断を下すのかは分からないけど、

 俺はもう、覚悟を決めたんだ。


 依然として先程言った『信じて欲しい』という言葉には肯定も否定もしない亜夢。

 それでも俺は、話を始める為に再び口を開いた。


「なんて言うか……俺は良い奴でも何でも無くて、どっちかと言えば、クズだと思う。特に、恋愛……異性に対しては。中三の時、初めて心の底から好きだと思える人と付き合った事があるんだけど、その恋愛が、俺の人生の全てを、狂わせた。あれが全ての、始まりだったんだ――」


 話は過去に遡る。

 俺は生まれた時から『荒木田家』の人間として、常に周りからチヤホヤされて育ってきた。

 大人は常に俺の機嫌を窺って、欲しい物は何でも買い与えてくれたし、したい事はさせてくれた。

 自分で言うのもなんだけど、容姿もそれなりだったし、勉強もそれなりに出来たし運動も得意で、おまけに幼い頃から異性も寄ってくる。

 そんな環境に置かれていた俺の人生、常にイージーモードだった。

 そして中学三年の頃、俺は当時クラスメイトで結構仲の良かった女子生徒と、付き合う事になった。

 俺に近づいて来る女子は心が透けて見えていて、俺の容姿や家柄に興味があるというか、ブランド品を身に付けるみたいな感覚で付き合いと思ってるような奴ばっかりだったけど、彼女だけは違っていて、常に本当の俺を見てくれていた。
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