妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「亜夢さんは、旅行か何かでこっちに来たの?」
「え?」

 百瀬くんの問い掛けに一瞬ハテナマークが頭を飛び交うけれど、彼の視線の先にあったボストンバッグを見て、その質問の意味を理解した。

「いや、旅行とかそういうのじゃないよ。っていうか、私が住んでるの隣町だし」
「そうなの? それじゃあ、何で……」

 そこまで言いかけた百瀬くんは突如口を噤む。

「百瀬くん?」

 何故言い掛けて途中で止めたのかと不思議に思ったのも束の間、

「――飲みたい気分って言ってたし、何かムカつくような事があったんじゃない? それで、家出……した、とか?」

 急に的を射る発言をしてきた彼。

「……まぁ、当たらずとも遠からず……って感じ……かな」

 ムカつくような事……というか何と言うか、それに家出とも少し違うけど、まあ似たようなものではあるので彼の言葉を否定しない。

「……ねぇ、何があったの? 話してよ」
「…………実は、今日、彼氏と同棲してるアパートに帰ったら、私の妹と、寝てたのよ」
「……あー、マジか……」
「信じられないよね、本当。しかも、普段私と一緒に寝てるベッドでよ? 本当、最低……有り得ない。しかも、妹を選んで私は彼に振られたって訳。もう、笑うしかないよね」

 こんな事、話したところでどうにもならないし、聞かされる方も反応に困るだろう。

 けど、百瀬くんの反応は意外なものだった。

「――無理に笑う必要無いよ。そんなん、辛いでしょ? それに、分かるよ、亜夢さんの気持ち。俺も彼女の浮気現場、目撃した事ある。しかも、俺の部屋で、俺の友達と」
「え?」
「まぁ、薄々気付いてはいたんだ、二人の仲は。だからいつかはそうなる気がしてたから、心変わりに関しては仕方ないにしても、人の部屋でヤるなよって話。ま、もう結構前の話だし、今は奴らに何の感情も無いけどさ」

 驚いた。

 彼も似たような経験をした事があって、私の気持ちが分かると言うのだから。
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