君の隣は誰にも譲れない

「坊ちゃんはお嬢さまを見るためにあれから何度も通われていました。亡くなられたお父様に会わず、あなたを遠くからただ見るために……ちょっと怖いですよね」

「それはそうですね。ちょっとしたストーカー?」

 ふたりで笑い出した。

「覚悟して下さい。坊ちゃんは、今までお父様に知られないよう、遠くからあなたを見守っていた。それがお嬢様に車で送ってもらってからは、隠れるのをやめたと言ってました。そして絶対に彼女を振り向かせると宣言しました。私がこの人は誰だろうと思うくらい豹変しましたからね」

 そうなの?なにそれ……ふふふ。

「ああ、笑い事じゃありませんよ。坊ちゃんをおおっぴらにフラないでくださいね。私が迷惑します」

「ぷっ!」

 面白い。柴田さん、最高!

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