🆕足湯と君は居場所【BLピュア】

第6話*一緒に足湯

*蒼視点

 夏休み。

 今日の外は暑くてどうしょうもない。エアコンが効いてる部屋から出ない方がいい。

 俺は高校の読書部でゆるく活動している。夏休み中の活動はとりあえず好きな場所で読書をすること。そして新学期に読んだ本の感想を他の部員四人に発表する。予定はそれしかなくて、結構ひまだった。

「咲良、夕方涼しくなってからお菓子買いに行くか?」
「うん、行くいくー」

 六月に優香ちゃんと出会ってからは何回か駄菓子屋に行っていて、彼女との交流は続いている。咲良を駄菓子屋に連れていくというのは表向きの理由で、本当の理由は俺が優香ちゃんに会いたいから。

 十六時ごろ、まだ暑かったけど咲良と店に向かった。店に着くとすぐに咲良は大好きなグミの場所へ向かう。

 店の中は、相変わらず客が誰もいない。
 そういえば、俺ら以外の人をここで見たことがないかも。

「ここって、あまり客見ないな。経営大丈夫なのか……」

「おじいちゃんが亡くなった時にお金も結構残していってくれたみたいだし。この店は趣味みたいなものだって、ばあちゃんが言ってたから、大丈夫みたい」
「そうなんだ……」

 ちらっと咲良を見るとスナックコーナーで何を買うか迷っていた。

「そういえば、優香ちゃんって高校生? どこ高?」

 なんとなく質問すると、優香ちゃんは視線を思い切りそらしてきた。無言になって何も答えない。そのタイミングで沢山駄菓子が入ったカゴを優香ちゃんに渡した咲良。優香ちゃんが咲良に「またグミ、当たりが出たらいいね」と話しかけ、話題を変えてきた。

 プライベート、あんまり聞かない方が良かったか……。

 でも優香ちゃんをもっと知りたい。
 もっと、もっとたくさん話をしたい。
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