🆕足湯と君は居場所【BLピュア】
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 三月の中旬になった。このまま二年生になって、もしも黄金寺と別々のクラスになったら、完全にそのまま黄金寺と離れてしまうことになると思う。

 お店ではお客さんに自分から話しかけれるけれど、普段は自分から〝心の距離がある人〟に話しかけるのは本当に苦手で……でも、休み時間に勇気をだしてこっちから黄金寺に話しかけてみた。

「黄金寺、放課後、ちょっと話がしたいんだけど。大丈夫?」
「うん」

 黄金寺は静かに頷いてくれた。
 放課後教室になった。

 教室に残る、僕と黄金寺。

「俺も話したいって、ずっと思ってた……あの日の突然のキス、本当にごめん……今まで通り、仲良くしてほしい」

 何から話そうか迷っていたら黄金寺が先に口を開いてくれた。

「ううん、こっちこそ……急に逃げて、それからずっと避けてて……ごめんなさい」

「はぁー……、仲直りできて良かった! しんどかったー」

 黄金寺は目をぎゅっと閉じて、天井に言葉をぶつけるように叫んだ。

「……僕も」

 僕は小さな声で呟いた。

 僕だけが仲直りしたくてずっと心の中がモヤモヤしていたのかな?って思ったりもしていて。でも黄金寺も同じ気持ちでいてくれたんだなって分かると、灰色のモヤが流されて、心が明るい色になった。

「黄金寺、ありがとう」

 僕が笑うと、黄金寺も一緒に笑ってくれた。
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