🆕足湯と君は居場所【BLピュア】

番外編*しおりんの癒し(ショートショート)

*黄金寺視点

 俺は今、足湯の『ひょう花』に来ていた。

「手を離したくないよ……どうしよう」
「俺も同じ。一生離したくない」
「僕も……」

 今、赤井と高瀬は月に一度おとずれる〝色彩のバースの症状が強く現れる日〟つまり、いつもよりも手を繋ぎたく、くっついていたい気持ちがつよつよな日らしい。症状を抑える薬があるけれど、今月は高瀬発案で試しに飲まないで過ごしてみているらしい。

 ちなみに俺らは二年になった。また赤井と同じクラスになれた。だけど高瀬も一緒だ。最近学校では三人で過ごしている。あいつらは〝運命のふたり〟らしく。

 イチャイチャなふたりと俺の間には、大きな壁を感じていた。

 それでも赤井と一緒にいたいから、足湯もついていく。ついていくけど俺は暑がりだからすぐに足をお湯から出して、ひとりで休憩室へ行き、ごろんとして休んでいる。

 ぽわわわ~ん。

 目を閉じると赤井の残像。

 小さい時から手に入れたいものは全て手に入れてきた。大体お金で全てを解決していた。でも、赤井は、赤井の心はもうお金では買えない。 はぁ……。

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