真面目な委員長ちゃんはイケメンチャラ男に翻弄される。
「そうー?ならいいけど?
なんかさ、紅蘭チャンは人に弱みを見せないよねー。
たまには人に甘えていいと思うけど?


………まあそれをたまに崩したくなるんだけどね。」


弱みを見せない、か……

だってしっかりしとかないとお父さんみたいになるのは嫌だし。
何かあったって自分1人でできればいつか役に立つと思う。


「強い人間でいたいんです。
そうであった方がいいと思うから。」



お母さんみたいに。

「そう。

……強い人間、か。俺もそうあれたら。」


「?大城くん?」


最後の方が聞こえなくて、聞き返すと
大城くんは、なぜか寂しい顔をして笑っていた。


「どうしたんですか?」

「んーん。なんでもないよ〜。」

「そうですか。ありがとうございました。
では、また明日………。」


気のせいかな?
なんでもない。とそう言った大城くんはさっきの寂しそうな表情はなかった。

だから気にせず、理科室を後にして家に帰った。


大城くん案外、優しいとこもあるんだ。
ただの女の子と遊んでる最低なやつだと思ってたけど。


ほんの少しだけ。少しだけ。大城くんの優しい一面を知って、見直した一日だった。
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