その恋は甘くて危険


「体調でも悪いの?」


「いえ、全然そんなことないです。元気ですよ」


慌ててそう言って笑いかけた。


「そっか。それなら、いいけど。無理しちゃダメだよ?」


「は、はい。気をつけます」


本当に優しい人だなぁ……


気遣い上手で、私みたいな人にも気を配ってくれる。


こんな素敵な人、そういないだろうなぁ……


「うん、素直でよろしい。じゃあ、お先に上がるね」


「は、はい。お疲れ様です」


久我先輩がいなくなったら、スタッフのやる気が一気に削がれるだろうなぁ……


そんな未来を想像して、思わず苦笑してしまった。

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