王子様を落とし穴に落としたら婚約者になりました ~迷惑がられているみたいですが、私あきらめませんから!~
「今日はテニスボールだったわね!」

「……どうしてそう冷静なのかしら?」

 シンシアは両手で顔を覆った。

 エイミーは転がっていくテニスボールを風の魔術で一か所に集めつつ首を傾げる。

「なにが?」

「だから! どうして冷静なのかって聞いているのよ! 昨日は水、一昨日は花瓶! 先週は画鋲が降ってきたのよ⁉」

「面白いわよねー」

「面白いわけあるか‼ どう考えてもあんたが狙われてるのよ⁉ いい加減先生に相談しなさいよ!」

「でも、実害ないから」



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