ほどほどに愛しなさい
「どう?」

自信満々な様子で尋ねられ、

「えーと…これはラブストーリーなの?」

そう尋ね返すと、紗理奈ちゃんはムッとしたように、

「読めばわかるでしょ」

読んでもわからないから聞いたのだが。

「因みに、小説読むのは嫌いだけど、漫画なら沢山読んでる。漫画をお手本に書いてるの。貸してあげる」

要らないんだけどなぁ…と思いつつも、ドサドサと漫画本を渡されるので、

「ありがとね…」

引きつった笑みでそう返すしかなかった。

結局、彼女はピアノを触ることなく、レッスン終了…。
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