love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
「もし、誰かとやりたくなったら。まずはオレからじゃなきゃダメなんだ、美玖は。じゃないと死ぬから」
「知ってるよ。でも、それを今言わなくていいじゃん、そんな機会来るかも分からないし」
「オレとやるのって、美玖にとって死んだ方がマシ?死ぬよりはマシ?」
「そりゃ死ぬよりマシでしょ」
「じゃあ、オレと付き合えば。そうすれば安全」
「え、やだ」
即答したら、ぴきっと甲斐の片方の眉毛があがった。
「オレ意外にモテるのに。今、チャンスだけど」
自分でモテるとかいう辺りに、甲斐の余裕を感じる。それがまた若干腹立たしいので、
「甲斐いい奴だし、他の女子の反応からすれば、割とカッコいいのかも。だからこそ、別行っといていいよ」
と適当に流してみた。
「お前さぁ、オレのどこがダメなわけ。顔?性格?」
そしたら、モテ男のプライドが傷ついたらしくて大げさに言ってくる。
モテると言っても所詮甲斐は甲斐だな、と私は思うのだ。
「関係性かな?甲斐って兄弟っぽいんだもん。兄貴と陵右と同類」
「じゃ、付き合わなくてもいいから。いつか、結婚するときがきたら、オレにしろよ」
「ヤダよ、何それ結婚って。子どもの約束かよー」
「そう、子どもの約束」
そう言って、甲斐は手を出してきた。
帰ろ、と言うのだ。
一番最初に、「手を繋ぐ」をクリアしたのはいつだっただろう。
物心ついたときから、甲斐とはずっと一緒にいた気がする。
甲斐はもちろん、遊ぶときには兄貴と陵右も一緒のことが多かったので、私は昔自分も男だと思っていたくらいだ。
だから、身体が女らしくなっていくにつれ絶望していった記憶がある。
なんで甲斐と一緒じゃないんだよ、と思った。