love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 結果として、私たちは付き合っていない。

 でも、一緒に帰るし遊びにも行く。

 お互いに受験生になったときには、家で一緒に勉強をすることもあった。

 実はこれが厄介で、甲斐の方が少しだけ勉強が出来るから、自然とライバル心が煽られてしまう。
 甲斐はそれを知るってか知らずか、休憩の合間に、謎のスキンシップを始めてくるので、こっちは面白くない。

 甲斐とは違い、私は志望大学に落ちれば就活なのだ。

 ただ、
「集中できないし、受験終わるまで甲斐の家行くのやめようかな」と言えば、
「じゃあ別室勉強でいい。手ぇ出さない、だから来て」
 と健気なことを言われるので、断りにくい。

 甲斐は私が思っていた以上に、寂しがりなんだ、と最近は思う。だから、家に人を呼びたがるのだ。

 最早付き合ってるよね?と友達の柚衣には言われるけれど、甲斐は彼氏ではない、と私は思っている。

 だからといって、この関係が何だか分からないから、幼なじみだよ、と頑なに言い続けるのだ。
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