冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて

和希side

和希side

パーティーがあった週明けの朝、霧矢のいる副社長室で、上司で親友である男のご機嫌ぶりに、砂羽の兄である和希は、呆れている。

見た目通りクールガイの冷徹人間である西園寺 霧矢という男を知っているからである。

霧矢の周りには昔から、霧矢の外見と西園寺というブランド名、お金に近付いてくる男女ばかりで、人間不信で荒れた生活を送っていた大学時代の霧矢と和希は出会った。

和希は、母譲りの綺麗な顔つきのせいで、美男子と有名人だった。性の対象が男だと悩む和希は、うわべだけの友人関係で、心を許せる友達がいなかった。そして、綺麗な顔だちの和希を男色の男達や、女性が放っておくはずなく、いつも狙われていた。

霧矢は、当時、女は快楽を解消する道具としてしか見ておらず、たまたま、女と路地裏で済まそうと入った時に、バーで油断してお酒に薬を盛られ、酩酊状態で襲われそうになっていた和希を助けたのが、霧矢だった。

その出来事をきっかけに、2人は、大学も同じということで仲は急速に良くなった。

霧矢に和希がまとわりつくという感じだったが、そこに何か下心があるのではなく、霧矢個人に心酔する和希だったから、側をうろつくことを許していた。
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