俺様同期の溺愛が誰にも止められない
その後、乗り込んだのは素晴の車。
車を運転しない私にはよくわからないけれど、そんなに大きな車ではない。
車体は流線型でシートは皮張り、低くて重厚なエンジン音が心地いいなとは思うものの、どこの何て車なのかはさっぱりわからない。
でもハンドルが左側にあるってことは外車なのかな。
私にわかるのはその程度だ。

「どうした、元気がないな。またいじめられたか?」
「違うわよ」

素晴が堂々と振る舞ってくれているお陰で、私達の関係も病院内周知の事実となり女子からの嫌がらせはすっかり収まった。
そう言う意味では素晴に感謝している。

「じゃあ何だ?」
「ううーん」
私はそのまま黙り込んでしまった。
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