俺様同期の溺愛が誰にも止められない
同期の危機
高杉先生の助言もあって、私は素晴と直接会って話すことにした。
荷物を置いたまま飛び出してからの時間はそう長くはないはずなのに、私には永遠に感じられた。
自分から連絡をとるのは勇気もいるし逃げ出したい気持ちがなかったと言えば嘘になるが、このままではあまりにも不誠実だと思い決心した。
そして、休暇が明けた勤務初日の夜に私は素晴のマンションに向かった。

改めて見上げるマンションは首が痛くなるほど高くて、アプローチだって豪華でおしゃれ。
思えば私の力ではでこんな高級物件に住めるはずもなく、すべては素晴のお陰。
ここでの生活に慣れてしまって忘れていたけれど、そもそも私は住む所をなくした居候だった。

高速エレベーターで最上階へ向かい、預かっていたカードキーで玄関を開けるのも手慣れたもの。
ガチャ。
部屋に入った瞬間の匂いも既に自分のもののように感じる。
短い間に私は素晴との暮らしにすっかり慣れてしまったらしい。
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