俺様同期の溺愛が誰にも止められない
バイト先のコンビニは大学の近くで、病院からもそう遠くない場所。
私は仕事に行くという影井に近くまで送ってもらい、そこからは歩くつもりだった。
しかし、後部座席に積まれた昨日からの荷物を抱えて車を降りようとすると、影井は置いて行けと言ってきかない。
さすがにこれ以上の迷惑はかけられないからと断ったのに、結局荷物は預かっておくからバイトに行けと背中を押されてしまった。

「バイトが終わったら取りに行くからね」

運転席から顔を出した影井に指を指しながら念を押すけれど、なぜか不敵な笑みを浮かべている。

「お前、今夜は当直だろ?」

ああ、そうだった。
そして、当直の後はそのまま勤務に入るため明日の夕方まで体は空かない。
困ったぞ。これではいつまでたっても荷物を受け取ることはできない。

「明日の夜、勤務が終わったらうちに来てくれ」
「でも、何時になるかわからないわよ」

ただでさえ飯島先生が抜けて人手が足りないのに、とてもじゃないけれど定時で上がれる気がしない。
さすがに当直明けだから遅くはなりたくないけれど、どうなるかわからない。

「俺も患者次第では遅くなるかもしれないから、待っていてくれたらいいよ」
「まっ、待っているなんて・・・」
私は顔を真っ赤にして声が大きくなっていた。
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