俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「今日は日勤だろ？」

シャワーから出てきた部屋着姿の影井が、今日の勤務を確認してくる。
これもいつもと変わらない。

「うん、でも午後から受け持ち患者のカテーテルが長引きそうだから遅くなるかも」
「じゃあ、夕飯は俺が何か買って帰ろうか？」
「ありがとう。でも私の分はいいよ。コンビニのおにぎりで済ませるし」
「ダメだ、ちゃんと栄養価のあるものを食べないと。また倒れたらどうするんだよ」
「それは・・・」

父が亡くなってから母と妹との３人暮らしだったし、大学に入ってからも勉強に必死で誰かと暮らすなんて考えたこともなかった。
当然男の人と同じ家での生活にも慣れていない。
だからってことではないけれど、時々ボロが出て影井に叱られたり呆れられたりすることがある。
数日前、風呂上がりに立ち眩みで座り込んでしまったのもその一つ。
普段から低血圧気味でふらつくことも多いし、「じっとしていればすぐに治まるわ」と言ったのにベッドに運ばれて、その日から影井の小言も増えてしまった。
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