俺様同期の溺愛が誰にも止められない
不穏な同期会
高杉先生は一言で言うと、飯島先生とは正反対の人だった。
もちろん医者としては優秀だし、年齢も同じ33歳で見た目だって悪くない。
そういう意味では多くの共通点があるのだが、性格に関しては全く逆。
穏やかで優しさの滲み出ていた飯島先生に対して、明るく楽しくて自分からどんどん周りの人に溶け込んでいく高杉先生。
実際赴任から一週間ほどで医局にもすっかり馴染んでしまった。

「神戸の国立病院でも随分活躍していたらしいけれど、教授が無理言って引っ張ってきたのにも納得ね」

検査の手さばきを見ながら、優紀も感心している。
確かに腕はいい。
患者さんの対応も上手いし、スタッフにも分け隔てなく応じる。
上司にするなら最高の人なのだろうなと、私も思っていた。

「でも、碧は苦手なんでしょ?」
「う、うん」

苦手というほど嫌なわけではない。
ただ最初の出会いが悪すぎて、距離をとってしまったというのが正直なところだろうか。

「まあ飯島先生とはかなりタイプが違うわね」
「そうかもしれない」

きっと、飯島先生の下で働くことに慣れ過ぎたのだ。
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