カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 葬儀までの数日は白那が心配だったので、サロンに顔出すようにした。俺がすぐにいけないときには、会社のスタッフにサロン回りのチェックをお願いする。
 葬儀で会った白那が少し瘦せていて真っ青な顔をしている姿を見たら、もう、待ったをかけている場合じゃない、と思った。

 半ば強引に白那を家に呼び、同棲を強行する。嫌がられたとしても、嫌われたとしても、白那が自分で大切な相手を見つけるまで、朱那さんの役割を果たそうと思った。
 
 白那のことは好きだ。

 でもその感情は、母性とか父性とかそんな壮大なものじゃない。感情をぶつけられたら、ぶつけ返してしまうし、そんなつもりはなくても、煽られたら、抱いてしまうくらい、危ういものだ。
 未熟すぎて、白那の傷をえぐるには十分だと思う。

 だから、覚悟を決めていた。
 付き合って、白那が別れたいと言われたら、今度は本当に別れる。全部封印するって。
< 100 / 275 >

この作品をシェア

pagetop