カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~

 ソファに隣り合って座りながら、コーヒーを口にしながら、
「ところで、付き合うって何するのか知ってる?」と白那に聞く。

 白那は目を真ん丸にして、コーヒーカップ越しにこちらを見て、
「瑠璃也って、天然?」
 と言った。

 ああ、より幻滅されている感がある、と思い、その場で調べることにする。スマホから検索をかけて、一番上に表示されたサイトの情報を要約して、読み上げていく。

「付き合うとは……。好き合っている者同士が一緒にいること、連絡をとったりデートしたり、スキンシップをとったりすること。イベントを一緒に過ごす、お互いの知り合いに紹介する、などなど」
 隣の白那は何か言いたげにこちらを見ている。

「好き合っている者同士……。ああ、そもそも定義の根底が崩壊している」
 と呟いてしまう。
 前提として、俺は白那に好かれてはいない。

「今までのと何が違うの?」
 と白那は言う。

「今までの?」
 と聞けば、白那は少し気まずそうにしながら、
「瑠璃也とは出かけたりしたし、お互いの知り合いを知っているし、連絡は途切れ途切れでもしていたし。今、なぜか一緒に住んでるし。何が違うのかなって」と続けた。

 スキンシップに関してスルーしてくれた辺りは、白那の配慮かもしれない。何が違うのか、それは、俺にはハッキリと分かっていた。
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