カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 その日は新規事業のアイデアの話をしていた。

 瑠璃也は元々サブスク式のイベントチケット販売サービスをしていたらしい。家族が運営している会社事業との連携だ。

 今では新しい構想として、メンズ美容系のEC事業も同時に動かしたいらしい。美容に特には興味がないらしいけれど、「白那に幻滅されないように動いてたら、形になって来た」というのだ。正直意味が分からないけれど、中々アグレッシブな面が見れた。

 美容系なら瑠璃也がビジュアルを出したら、バズると思う、と私が言うと、それは絶対にダメと言う。裏方仕事が好きなんだよ、と。

 意外な気がしたけれど、瑠璃也と話をするにつれ、傲慢とは真逆の、気遣い男子であると分かるので、たしかに裏方仕事も向いているのかもしれないとも思う。

「大学楽しそうでいいな」
 進学しなかった私は大学の雰囲気が新鮮だ。
 瑠璃也と約束をしたときに来るくらいだったけれど、高校とは違って、学生以外にも開かれた学校の雰囲気が面白い。

 私がそう言うと、
「聴講生になればいいじゃん、好きな講義だけ聞けるし。白那と学校通えるのはすごく嬉しい」と瑠璃也はいつも言う。
「サロンの人手が足りなくて、あまり余裕がないの」と私が答えるのもセットだ。
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