カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 思えば、その日日埜静馬と大学で約束をしていたらしい。

「昼休みに、西棟の1階で待っています」
 とメッセージが入っていた。
 少なくとも昨日は、瑠璃也と触れていても黒いもやが出てこなかったため、と返事に迷う。

 けれど、昨日おじいさんの言っていた水樹家の言葉が気になるのはたしかだ。
「分かりました」
 と返して話だけ聞きにいくことにした。


 ただ、私はどうも、幸せと逆行する星の下に生まれているのかもしれない。
 控えめに言っても、この日日埜静馬に会ったのは、失敗だった。
< 156 / 275 >

この作品をシェア

pagetop