カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
 ママに会いに行ってから、私は家族の写真が頭から離れなくなっていた。いつか自分も家族を作れたら、という気持ちが高まっている。
 そのためには、サロンの状況を安定させることも大切かもしれない、と思った。静馬がしばしば払う力の話をしてくることもあって、警戒心はあったけれど、サロンを安定させるためにも、静馬の提案を受け入れることに決める。

 その後古民家サロンに顔を出したり、新しい店舗の場所を確認しに行ったりしていたら、ますます忙しくなった。
 瑠璃也とは軽いメッセージのやり取りをする程度で、会えてはいない。瑠璃也は学校も仕事もと忙しいようだ。同時に私自身も忙しいので、会えないこと自体はそれほど問題視していなかった。

 瑠璃也が紙媒体のメディアに登場したら、必ず複数買うし、サイト類はブックマークやスクショで保管しておく。製品も購入してお客様に販促しておいた。

 元々推し活住民の私からすれば、メディアで触れるそれ自体で瑠璃也と一緒にいる気分だったので、満足している。
 瑠璃也に関しては、現場に行ければ最高、接触できればもっと最高、という推し活のメンタルになりかけていた。
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