カエル化姫は愛されたい、偽俺様王子は愛したい~推し活女子と天然一途男子は最強夫婦~
「気持ちいい」
 と声が漏れたら、瑠璃也が息を飲んだ。
 もう一度胸の先をこすられて、中のある場所を強く突かれたとき、中の奥の部分が痙攣する。
 悲鳴みたいな声があがって、思わず瑠璃也にしがみついてしまう。そして、身体の力が急に抜けた。

 瑠璃也が驚いた顔をしているのが分かったから、「ごめん」と言う。そしたら瑠璃也は一度強く抱きしめてきた。頬に熱いものが流れるのを感じて、自分が泣いていることを知る。
 そう、初めて気持ちいいと感じた。

「よかった」
 と瑠璃也が私の涙を舐めとり、続けて「でも、ごめん、まだ」と言って来たので、私は頷いた。

 その後、お互いに途切れ途切れな吐息があがる。瑠璃也が最も奥底でふるえたのを感じたとき、もう、全部もらおうと思った。

 だから、もう、全部あげるのだ、と思う。
 色んな感情や経験を、全てもらってしまって、全てあげてしまう。そんな風にきっとこの先も一緒にいるのだと思った。

 それは、とても幸せな想像だ。

「白那、愛してるよ」
「私も、愛してる」

 何度も繋がって、そして一緒に眠った。
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