BitterなフリしてほんとはSweet【完】
あれから、1人で家に帰っても考えることはたくさんあって、
時間が経てば経つほど蘇るキスの記憶とか、
瀧課長のあの言葉にこもった熱とか、
家から綺麗な女の人が出てきた衝撃とか、
もう自分では消化できないことばかりで、寝不足になった私は土日でものの見事に知恵熱を発動。
このまま月曜日も休めるんじゃないか、なんて思ったけど、月曜日になったらすっかり熱は下がっていた。
…月曜日、今日は瀧課長と得意先の展覧会へ出向く日だ。
こんな日に限って、一日中瀧課長と外回りで2人きりなんてついてない。
もうどうしたって意識してしまうし、どんな顔をすればいいかわからない。