氷の華とチョコレート

 あぁ、そう言うの……、えぇっと……。

 初めてのクリスマスだから、真間さんが選んだものがいいな……。


「真間さんに、選んでもらいたいです」

「……うん、……欲しいものとかは、ある?」


 真間さんが選んでくれる、欲しいものだと……。


「……お守り、みたいな? 身につけられるものがいいかな?」


 会えない時に、真間さんを感じていたいから、とは、恥かしくて言えませんが……。顔が少し熱くなって、私は頬を隠すように手で押さえてうつ向いた。


「……う、ん、……オレも、氷室さんが選んだ、身につけるものがいい、かな?」


 真間さんも、私につられたのか、少し照れたように下を向く。二人して照れて、会話が途切れてしまった。


「……」

「……」


 ぎこちないのは、何でだろう? まるで、付き合い初めみたいなってるし……。

 でも、初めてのクリスマスは、やっぱり特別だよね? 彼へのプレゼントも、頑張っていいのを選ぼう。


「た、楽しみにしててくださいね」

「うん、……オレのも楽しみにしてて?」


 目の前の真間さんは、少し赤い顔でふんわりと笑った。なんの憂いもない、彼のこんな笑顔を久しぶりに見ることが出来て、私もふんわりと幸せな気持ちになれた。



< 209 / 310 >

この作品をシェア

pagetop