双子アイドルは俺様暴走族！

ブチブチ文句を言いながら地団太をふむ。
直接本人に行ってやることもできたけれど、周りのクラスメイトたちの視線が痛いのでそれはやめておいたのだ。

それに、【ツインズ】の晴に怒鳴り散らしたなんて学校中にバレたら大騒ぎになりかねない。
あの場所であれ以上の騒ぎを起こさなかったことは褒めてほしいくらいだ。

あたしの気持ちはまだおさまらず再び叫ぼうとフェンスに手をかけた時、バタンッ！　と屋上のドアが開く音が聞こえてきた。
こんなときに一体誰よ！？

あたしはイライラしながら振り返る。
それと同時に、誰かがあたしの体を後ろからギュッと抱きしめて来たのだ。
「えっ？　わっ！　きゃぁっ！！」

咄嗟の事で混乱したまま転倒してしまうあたしと、相手。
「ちょっと離して！！　離せぇぇ！！　チカン！！」
ようやっとの思い出ベリッと相手を引き離すと、そこにいたのは心配な表情を浮かべた圭だった。

「あれ？　圭……？」
あたしは驚いて目を丸くする。
圭は晴よりもまともな人間だと思っていたのに！