双子アイドルは俺様暴走族!
「ミミズが這ったような文字だね」
と、圭が笑いながら言った。
「う、うるさいわね! 筆に慣れていないのよ!」
確かにお世辞にも上手だとは言えない文字に、赤面する。
「で、なんの挑戦状だよ」

「読んでみてよ」
あたしがそう促すと、晴はしぶしぶという感じで挑戦状に手を伸ばした。
「なになに? 《あたしをツアーに参加させなさい》……? なんだこれ」
今度は呆れた表情を浮かべる晴。
「そのままよ、付き人ってそういう事の手伝いをするお仕事でしょう?」

あたしの挑戦状に圭はキョトンとしている。
「そりゃぁまぁ、そうだけど……。カヤちゃん、夏休み削れちゃっていいの?」
「いいの!」
あたしはキッパリとそう言いきった。

そのツアー中にあたしは2人の弱みを握る。
そしてさっさとこの学校からもオサラバするのよ!!
「どうする、晴?」
「勝手にしろ」
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