双子アイドルは俺様暴走族!
ましてや、イケメン君の彼女のかわりを見つけて来いなんて言われたらどうしようか。
あの人に釣り合う女の子なんてそうそういない。

《金は請求しない。お前が貧乏なことは服を見ればわかる》
「そ……そうですか……」
ってか、貧乏じゃないし!

うち中流家庭だし!!
《じゃぁ、明日な》
「あ、ちょっと……!!」

反論しようとした時にはすでに電話は切れていて、機械音が耳に入ってくるばかりだった。
「なんて我儘なイケメン君なの」

あたしはそう呟き携帯画面を見つめる。
昼間に会った時は丁寧な口調だったのに、電話になるとまるで別人のようだった。

あたしはふぅと息をはき出し、またハジメに怒られる……と肩を落としたのだった。
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