双子アイドルは俺様暴走族!

走り出すと足首に激痛が走るのか、ヒョコヒョコと飛ぶようにコートの中を走る。
それでは当然圭の動きについて行けず、2点3点と圭1人が順調に点を稼ぎ始める。

同じチームなのだからそれで問題はないのだけれど、点を入れられる度に晴の表情は険しくなり、次第に焦りを読み取れるほどになっていった。
結局、1試合目は圭がほとんどすべての点数を入れ、余裕勝ち。

相手チームは半泣きになりながら体育館を出て行った。
あたしはコートの端に戻って来た晴と圭に駆け寄った。

「ちょっと晴大丈夫なの?」
「平気だ」

短く返事をして椅子に腰を下ろす晴。
あたしはその場にしゃがみ込み、晴のソックスをくるぶしまで下げた。

「なにすんだよ」
慌てる晴の声が頭上から降り注ぐ。

「腫れてるじゃん」
あたしはスッと晴を見上げてそう言った。
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