双子アイドルは俺様暴走族!
リーサはそう言い、その取り巻き立ちと共に笑い声をあげた。
その声はとても上品だったが、悪意が込められ虫唾が走った。

「だから晴君が今松井さんと付き合っているのは、掛けに負けたからなのよ。わかる?」
リーサはただの憶測をさも本当の事だと言うようにそう言い、あたしを見つめる。

「このままじゃ松井さん本気になっちゃうし、晴もいつまでも縛られて可愛そうだから、別れてあげてくれないかなぁ? あ、もしかして松井さん、もう晴に本気になっていたりしたのかな? だったらごめんねぇ?」

リーサは邪気のこもる笑顔を浮かべる。

ハラワタが煮えくりかえり、今すぐこの性格ドブスをドロドロの土の中へ埋めてやりたいと言う衝動にかられる。
あたしはグッと握りこぶしを作った。

「話はそれだけ? じゃぁあたし教室に戻るから」
そう言い、あたしは踵を返した。
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