双子アイドルは俺様暴走族!
赤くなった頬にそっと触れると、そこだけ熱が帯びている。
「じゃぁ、俺たち戻るから」

保健室の中にいたメンバーがあたしにそう声をかけて、出て行く。
あたしはその場にしゃがみ込み、晴の手緒を握った。

あたしはなんて事をしてしまったんだろう。
晴にあんなこといわなければ……。
黒猫を取り返せなんて言わなければよかったのに……。

ほんの数十分前に戻れるなら、戻りたい。
そんな思いに駆られていると、晴が目を開いた。

「晴、大丈夫!?」
「……あぁ……ここは保健室か……」

「そうだよ。ごめんね、晴。あたしのせいでこんなことになっちゃって……」
ジワリと涙が浮かぶ。
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