アリス人形
「短い間だったけど楽しかったよ、帽子屋!」

「…ああ。やっと出る気になったか。」

アリスは帽子屋にシルクハットを返し、背を向けた。

「うんとね。どうやら僕、アリスに嫌われちゃったみたい?」

アリスはそのまま出入口に向かって歩き始めた。

「芋虫…僕には無理だったよ。だから、ずっとここにいる。」

「識っている。それがアリスの選択なのだな。」

「…うん。」

返事と同時に、アリスの身体が崩れ落ちた。

その時、帽子屋は見た。
長い金髪を後ろでまとめた…幼い少年の姿を。




「じゃあな、3rdアリス。」
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