花言葉

スミレ

「大人になっても僕と一緒にいてくれる?」
幼い日に果たした小さな約束。

日差しが眩しい頃から空が鮮やかに染まる頃まで、毎日毎日遊んだ春の陽だまりのような男の子。

一緒に砂場でお城を作って、おままごとをして、お互いの背中を追いかけて遊んで。
疲れたら公園の隅、小さな広場に座り込んで、色とりどりの小さな花を詰んだ。

それは幾日も幾日も、日が傾くまで続いた。

そんな日々がずっとずっと続くと無邪気に思っていた。

その子はある日突然引っ越してしまった。
別れの挨拶も、次会う約束も、何もできないまま彼はいなくなった。

たった1輪の小さなスミレと、誓い合った小さな約束を残して。



そんな幼い恋の話をしよう。
隣で笑うあの面影を残した貴方の横で。

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