私を溺愛してくれるのは、親戚のお兄ちゃんでした。

霧矢と瑞希

親戚のお兄ちゃん、伊藤霧矢君は、いつもやさしくわたしの話を聞いてくれた。

光輝が好きなことも相談していた。

霧矢くんには、話しやすい。優しく聞いてくれていたから、今回のことも相談したくて、
メールをした。

【霧矢くん。時間できたら、話を聞いてほしいの。】

【今日の夜、行けたらいくわ。
もしダメなら明日いくよ。】

メールが返ってきた。やっぱり優しいな。

明日と思っていたら、今日来てくれた。

「お邪魔します」
霧矢くんを部屋に通した。
瑞希は、お茶とお菓子を用意した。
霧矢くんの好きなブランデーケーキ。
「仕事で忙しいのに、、ごめんなさい」

「いいよ。仕事もちょうど片付いたところだからな。」

ブランデーケーキを口の中にほりこんだ。、
「美味しい。瑞希が作ったやつが一番うまい。」
喜んでくれらから嬉しい。

「霧矢くん。あのね。私って真面目?」

「真面目?まぁ。集中するかな。やりたいことに対して、まっしぐらだよ。」

「真面目って悪いこと?」

「別に悪くないよ。融通が効かないとかの印象になるけど、瑞希はそんなことないよ。頑張ってると思うよ。」

「道から外れないよね。私」

「外れる必要があるの?瑞希は、きちんと自分の進む道を考えてるよ。外れる必要なんてないよね?」

「付き合ってすぐ体をあげないといけないの?」

「付き合ってすぐは、瑞希が良ければいいんじゃないかな?
瑞希が嫌なら無理する必要はないよ。 
 男が本当に瑞希を好きか、ただやりたいだけか?それは見極める必要があるよ。初めては、2度とないから、きちんと考えないといけないよ。
無理なら断るのは大事だよ。 
それで男が怒るなら、辞めとけ。
そんな男なら付き合わないように」


「霧矢くんは、したい?」

「もちろん。したいよ。男も女も好きな人ならしたいだろ?
でも俺は無理矢理するつもりはない。」



霧矢くんといろんな話をした。

それから霧矢くんは、よくウチに来てくれた。
3ヶ月が経ち、霧矢くんとは、今までより仲が良くなった。

そう、今までよりたくさん話をしたし、家でも、ゲームをしたり、DVDを見たりして、楽しかった。

勉強も教えてくれるし、、、
光輝のことなんて考えていなかった。

あれ?私そこまで好きじゃなかったの?
あんなに好きって思ってたのに?


わたし、、、、霧矢くんといる方が楽しいし、落ち着ける。
親戚のお兄ちゃんだから?

でも、他の親戚のお兄ちゃんとは、そんなことない。
霧矢くんだけ。。

なんでだろ?
霧矢くんも優しいからな。
あんなにかっこいいから、彼女いるだろうし、あんま迷惑かけたらだめだよね。

でも、霧矢くんがいなくなるの嫌だし、、、


霧矢くんは、最近、頻繁に会いに来てくれるようになったけど、
いっとき、ほとんど来ない時があった。
霧矢くんが高校生ぐらいの時、
あの時は彼女ができたんだろうな。

彼女ができたら自然とこなくなるよね。
と考えていたら、スギっと心が痛んだ。
なに?

この時は、瑞希が、霧矢に恋をしていることは、まだわからなかった。

そして、霧矢が長年瑞希に恋をしていることを全く知らなかった。


霧矢が、瑞希と会う回数が減ったのは、光輝を好きと知ってから、
瑞希の恋愛話を平気で聞けるわけがなかった。。
瑞希も気がついていないから、余計に残酷だった。
幸せそうな顔で、話をする。俺だったらいいのにと何度も思った。

だから、距離を少しおいた。
頻繁にいくのをやめた。時々メールはしてた。瑞希のそばにいたい気持ちはあったから、、、


メールが来たから、会いに来た。
久しぶりに瑞希の顔も見たかったから。
変わらず可愛い。

そう。もう光輝を好きになるのをやめると言ったから、霧矢は、もう諦めるのをやめた。
遠慮しないことにした。

俺に気が向いてくれるように、チャンスを逃さないように頑張ることにした
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