僕、先輩とキスがしたいです。
「ん?チワワにチワワ、って名前付けたの?」

「は……はい。かっ、かわいいなぁ、と思いまして。ひっ、響きが!呼んだ時の響きが!」

「へぇー!確かに可愛いかも!」

***

「おじゃまします〜」

「どっ、どうぞどうぞ!」

ゆうちゃんの家、なんだかんだいって来るの初めてだな〜。

いつもデートは駅前のショッピングモールばっかりだしね!

たまには家、っていうのもいいかも!

飼ったばっかの子犬もいるみたいだし!

私ちょっと深く考えすぎちゃったかも。

よくよく考えたらこんな真昼間だし!

きっと健全なお家デートなんだ、これは。

「えっ、ゆうちゃんち、広いね!」

「そっ、そうですか?」

あっ、お母さんとかいるなら挨拶した方がいいよね?私。

「お家の人いる?」

「あ〜、え、と父も母も、今は仕事でいないんですよね〜」

「そっか!チワワ1匹でお留守番してたんだね!偉いね!」

「あはは、はい!」

「で……。あれ?チワワは?」

全然犬の鳴き声も聞こえないし、なんかこの家……どこまでもシーン、としてるけど……。

「あぁ!えー、とですね。僕の部屋に居ます!」

「あ、そうなんだ!」
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