シテくれないわたしの彼氏~モンスターバトル~
ガツガツくる年下の彼
先月、バイト先の一個下の学生が友達を連れてきた。数人の学生がわさっと店内に入ってくる様は圧巻だったけれど、私はいつも通りの仕事の一環として、注文を取っていく。
すると一人の青年の視線を受けて、「え?何」と思い見つめ返す。するとビーズのようなものを指しだされた。受け取ってみると見覚えのあるビーズだった。
意図が分からずに見つめていると、青年は自分の後頭部を指で示す。慌てて髪の毛に触れてみると、縛っていたはずの髪がほどけていた。縛っていた髪ゴム切れて、ビーズが散ってしまっていたようだ。
そのまま手を止めるわけにもいかないので、注文を受けて、キッチンへ入っていく。
注文の食事を持っていき、テーブルに乗せ終わったところで先ほどの青年が「あの」と声をかけてきた。答えるとプラスチックのケースの中に先ほどのビーズを入れて、渡してくれる。
「ありがとうございます。でも入れ物は返しますね」
「中身がなくなったイヤホンケースなんで、いらなかったら捨ててください」
と言う。
「ナンパうまいじゃん、若槻」
「困ってるよ、店員さん」
私達が会話をしているのを、みて、青年の周りの学生が冷やかしてくる。青年はそれほど気にすることもなく、「綺麗なビーズなんで元に戻るといいっすね」
と言った。
マイペースで鈍感力の高い人だなあと思う。
「お気づかいありがとうございました。ごゆっくりお過ごしくださいませ」
私は店員として答えるだけだ。
本当にささやかな善意のやり取り。
おかげで、本当なら切れてしまっただけで捨ててしまったかもしれない髪ゴムだったけれど、ゴムを新調して直そうと思った。
実際にゴムをつけ変えて、今も髪を縛っている。
すると一人の青年の視線を受けて、「え?何」と思い見つめ返す。するとビーズのようなものを指しだされた。受け取ってみると見覚えのあるビーズだった。
意図が分からずに見つめていると、青年は自分の後頭部を指で示す。慌てて髪の毛に触れてみると、縛っていたはずの髪がほどけていた。縛っていた髪ゴム切れて、ビーズが散ってしまっていたようだ。
そのまま手を止めるわけにもいかないので、注文を受けて、キッチンへ入っていく。
注文の食事を持っていき、テーブルに乗せ終わったところで先ほどの青年が「あの」と声をかけてきた。答えるとプラスチックのケースの中に先ほどのビーズを入れて、渡してくれる。
「ありがとうございます。でも入れ物は返しますね」
「中身がなくなったイヤホンケースなんで、いらなかったら捨ててください」
と言う。
「ナンパうまいじゃん、若槻」
「困ってるよ、店員さん」
私達が会話をしているのを、みて、青年の周りの学生が冷やかしてくる。青年はそれほど気にすることもなく、「綺麗なビーズなんで元に戻るといいっすね」
と言った。
マイペースで鈍感力の高い人だなあと思う。
「お気づかいありがとうございました。ごゆっくりお過ごしくださいませ」
私は店員として答えるだけだ。
本当にささやかな善意のやり取り。
おかげで、本当なら切れてしまっただけで捨ててしまったかもしれない髪ゴムだったけれど、ゴムを新調して直そうと思った。
実際にゴムをつけ変えて、今も髪を縛っている。