金髪くんの一途な愛


「あの…侑真くん」

「ん?」

「私から別れてって言ったくせに調子いいけど…


もう一度、私と付き合ってください…っ!
今度は…お試しなんかじゃなくて、
ちゃんと恋人になりたいです…!」


両手を差し出しながら頭を下げると

侑真くんの『ふはっ』って笑う声が聞こえた。


「いいに決まってるでしょ。
俺だって恋人になりたいもん。
……よっ」

「わっ!?」


握手を求めて差し出したはずの手を握られることなく

侑真くんは私の腰に手をまわすと、軽々と抱き上げられてしまった。


「……で、でも、侑真くん…」

「ん?」

「最終的には“旦那さん”になってもらいたいんだけど…」


一度忘れてしまったけど

もう一度、約束してもいい…?


「……もちろん、いいに決まってる!」


侑真くんは私を抱えたままくるりと一回転すると

昔と同じような無邪気な顔で、嬉しそうに笑った。


< 198 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop