金髪くんの一途な愛
「あの…侑真くん」
「ん?」
「私から別れてって言ったくせに調子いいけど…
もう一度、私と付き合ってください…っ!
今度は…お試しなんかじゃなくて、
ちゃんと恋人になりたいです…!」
両手を差し出しながら頭を下げると
侑真くんの『ふはっ』って笑う声が聞こえた。
「いいに決まってるでしょ。
俺だって恋人になりたいもん。
……よっ」
「わっ!?」
握手を求めて差し出したはずの手を握られることなく
侑真くんは私の腰に手をまわすと、軽々と抱き上げられてしまった。
「……で、でも、侑真くん…」
「ん?」
「最終的には“旦那さん”になってもらいたいんだけど…」
一度忘れてしまったけど
もう一度、約束してもいい…?
「……もちろん、いいに決まってる!」
侑真くんは私を抱えたままくるりと一回転すると
昔と同じような無邪気な顔で、嬉しそうに笑った。