金髪くんの一途な愛


「春白の子と合コンは勝手にどうぞだけど、
あの子はメンバーに入れんなよ」

「え、なんで?
彼氏持ち?」

「あー……そうかもね」


そういえば、鈴原がフリーかどうか知らない。

全然気にしてなかった。鈴原って彼氏いんのか…?


「んなこと言って、やっぱ侑真があの子狙ってんじゃねーの?」

「ただの友達だから」


しつこいので耳にイヤホンをつけて会話を終えた。


そのまま音楽を流して、

後で読んでって言われてた手紙を読もうと、紙袋の中から封筒を取り出した。

表には何も書いてなくて、裏には『鈴原日菜』と書かれている。


……綺麗な字。


黄緑色の封筒を開けると、封筒と同じ色の便箋。

手紙の内容は、言ってた通り普通のお礼って感じのことしか書いてなかった。

ただ、最後に『佐々木くんの好きな食べ物はなんですか?』って書かれてたのが気になったくらい。

それもさっき聞かれたし、後で読んでって言うからもっと見られたくない色々が書いてあるのかと思ったけど…拍子抜けだ。


< 60 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop