日給10万の結婚

食事会



 あのパーティーから一週間ちょっと。玲のご両親から連絡が来た。玲の実家で食事でもどうだ、というお誘いだった。

 ついにお呼ばれしたか、と緊張度が高まる。先日は挨拶だけだったが今度はそうもいかない。知識もそれなりに増えては来ているけれど、どこでどうボロが出るか分からない。相手もボロを出してやろうと意気込んでいるかもしれないし、かなり危険な勝負でもある。

 でも玲と同居を始めてもう三週間、食事の予定は来週なので一か月経過する頃だ。次のステップに進むのは必要なことだろう。

 食事会には勿論玲も参加するとのことで、フォローは入れると約束してくれたので、私は決意を固めて勉強に励んだ。畑山さんにも事情を話すと、彼女も気合十分に指導してくれた。つまり、スパルタに磨きがかかったということだ。私は死んだ。

 そしてついに、食事会当日を迎えることとなる。




「お前この前うちの親を見てどう思った」

 圭吾さんが運転する車の中で、隣の玲が尋ねてきた。私は着飾った格好を最終チェックしながら答えた。

「うーん、二人とも厳しそうだけど、どちらかと言えばお義母さんの方が厄介そうかな。お義母さんを何とかさせたら、多分お義父さんもなんとかなりそう」

「はは、ご名答」

 玲は頷く。
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