熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
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「おめでとう、お姉ちゃん」

百合は満面の笑みだった。京都から戻った翌日、私はお土産と結婚の報告で実家を訪れていた。なお月曜日だけれど、出向後ということもあり会社側が有休消化を推奨するので休んでいる。

私が成輔との結婚の時期や挙式を早めたいと言うと、母は大喜びでお赤飯と炊くとささげともち米の買い出しに出かけていってしまった。
なお、仕事で外出中の父にはメッセージアプリで連絡を入れているので、母の喜びようがわかる。それだけ心配をかけていたのかな。

百合はふたりきりになった瞬間から話を聞きたくてうずうずしている様子だ。今日は午後からお稽古を担当するはずなので、準備があるんじゃないの? 大丈夫?

「やっと両想いってことでいいんだよね。結婚を早めるってことは」
「まあ、そうかな。百合が京都に来てくれたときから、私も色々考えたと言いますか」
「お姉ちゃんが自分の気持ちに素直になってくれて嬉しい」

百合から見たらすべてお見通しだったといったところだろうか。姉として恥ずかしいような……。
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