熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「俺はいつだってきみと子どもを優先するよ」
「だーめ!」

私はそむけていた顔を成輔に戻す。

「さっきも言ったけど、私を優先しすぎないの。それはすごく嬉しいけど、成輔はCEOっていう立場にいるんだよ。多くの社員の人生を背負ってる。そこを忘れちゃ駄目でしょうが」
「それは……忘れていないつもりだよ」

成輔が必死に言い募るので、私は唇をとがらせ答える。

「万能のスーパーマンになれなんて言ってないんだ。育児や家事、今まで通り一緒にやってほしいってだけ。お互いにどうしても駄目なときに、無理をしない。お互いを頼って、それでも駄目なときはうちの実家や、外部サービスにヘルプを頼もう。成輔も最初から、そう提案してくれてるでしょ。全部背負い込まないでよ」

私の考える平等はそれだ。心の有り様が一番大事。結果、成輔が仕事で育児に関われなくても関わろうと努力してくれたら、心の面では平等だ。私だって同じ。仕事で家のことや育児を成輔に任せてしまうことだってあるはず。

「一緒に頑張ってくれる?」
「ああ、もちろん。葵は本当にたくさんのことを考えてくれていたんだね」
「成輔ともっともっと楽しく暮らしたいからね」

成輔が握った手に、私は自分のもう片方の手も重ねる。成輔がさらに手を重ね、私たちは硬く手をつないだ。

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