熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「岩水先生の新作、どうせまだ手付かずなんでしょ。完成図が浮かばないって?」
「そうなの。でも、岩千(がんせん)先生と三人で柏餅を食べたらご機嫌がよくなったみたい。今夜から取りかかるって言ってた。めどが経ったら岩千先生から連絡がくるの。お父さんのお使いが果たせてよかったわ」
岩千先生とは岩水先生のお弟子さん。三十代の男性で、気難しい先生の秘書役でもある。
「百合は人たらしだから、心配してないよ」
家までの徒歩十分を並んで歩く。世田谷区にある我が家は、高級住宅地と呼ばれる地域に大きな平屋を持っているのだから、華道家としては成功している。今谷の言う通り私もお嬢様ではあるのかもしれない。
五月の日は長くなっていて、夕暮のオレンジ色が街を包む。この季節にしては気温が高い。
私はジャケットを脱いで、腕にかけた。
「成輔さん、迎えには来なかったの?」
「送り迎えする暇があったら、仕事しろって感じよ」
「その言葉、奥さんっぽいね、お姉ちゃん」
私はちらりと百合を見る。
「百合、私、成輔と結婚すべきかな」
百合が私の方を向いた。私より五センチほど下にある目がじっと私を見据える。
「それは妹が意見することじゃないでしょ」
「ごもっとも」
「そうなの。でも、岩千(がんせん)先生と三人で柏餅を食べたらご機嫌がよくなったみたい。今夜から取りかかるって言ってた。めどが経ったら岩千先生から連絡がくるの。お父さんのお使いが果たせてよかったわ」
岩千先生とは岩水先生のお弟子さん。三十代の男性で、気難しい先生の秘書役でもある。
「百合は人たらしだから、心配してないよ」
家までの徒歩十分を並んで歩く。世田谷区にある我が家は、高級住宅地と呼ばれる地域に大きな平屋を持っているのだから、華道家としては成功している。今谷の言う通り私もお嬢様ではあるのかもしれない。
五月の日は長くなっていて、夕暮のオレンジ色が街を包む。この季節にしては気温が高い。
私はジャケットを脱いで、腕にかけた。
「成輔さん、迎えには来なかったの?」
「送り迎えする暇があったら、仕事しろって感じよ」
「その言葉、奥さんっぽいね、お姉ちゃん」
私はちらりと百合を見る。
「百合、私、成輔と結婚すべきかな」
百合が私の方を向いた。私より五センチほど下にある目がじっと私を見据える。
「それは妹が意見することじゃないでしょ」
「ごもっとも」