千秋くん、優しくしないでください!!

なんか気になる


七瀬咲の第一印象はただの地味な優等生だった。
肩に少しかかるくらいのショートカットに顔の半分を隠す大きなメガネ。
いつも大人しく落ち着いていて、テストでは俺に次ぐ学年二位でとても優秀。
よく本を読んでいて俺とは真逆の人間。
頭が良いだけ、そんな目立つこともない隣の席の人、その程度にしか思っていなかった。
だから…正直目の前の光景に驚いている。
「…ん。」
まだ不満そうではあるものの、七瀬さんに頭を撫でられて上機嫌な笹本さん。
さっきの鬼みたいな恐ろしい顔はどこにいった?
晶が少し七瀬さんに近づいただけであの怒り様…
そして、晶の空気を読まない発言が原因でさらに怒りがピークに達して、俺にまで火の粉が飛んできた。
まぁ、完全に晶が悪いけど。
まるで尾を踏まれて怒った虎のような笹本さんを黙らせて、説教までするなんて…
七瀬さん、
本当に何者…?
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