千秋くん、優しくしないでください!!


…そりゃ、視線も気になるわな。
これだけ良くも悪くも人気な奴らが自分の周りにいるんだから。
「とりあえず離れよ?
苦しいし。」
「あ、そっか!ごめん。」
七瀬さんの苦しそうな顔を見てすぐに離れた笹本さん。

キーンコーンカーンコーン♪
タイミングよくチャイムが鳴ってクラスメイトが席に戻っていく。
七瀬さんもいそいそと自分の席に座って、少しだけため息をついた。

彼女の方を見ると、憂いた表情をしながらも少し嬉しそうに口元が緩んでいる。

…浮かべたその少しの綺麗な笑みがなんだか心にスッと入ってその日は頭の中から離れなかった。
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