千秋くん、優しくしないでください!!

彼の秘密

無事、誰にも見つからず屋上に行く階段までたどり着く。
そういえば…屋上って開いてたよね?
あれ、不安になってきた。
うーん、どうなんだろう?
そういえば中学の屋上のドアは錆びついてて、
開かなかったんだよね…

…まぁ…大丈夫でしょ!
そう言い聞かせて、目の前にある少しさびれた屋上の扉のドアノブをひねった。
すると、あっけなくギィと少し音をたてて開いた扉。
…嘘でしょ。
私のさっきまでの葛藤を返せ。
まぁ、開いたしいいか。
ふわっと5月の春の伊吹が体をつつみこむようにして吹く。
今日は天気がいいのもあってすごく暖かい。
お日様の光がぽかぽかであくびするのを我慢しながら屋上のフェンスにちかづいた。
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